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曳航機のエンジンの取り扱い方
曳航機は、より多くのグライダーを飛行させるために、できるだけすみやかに、グライダーを曳航して目的の高度に達し、離脱後、ただちに下降して、次のグライダーを曳航しなければならない。曳航機は、このように可酷な方法で使用されている。グライダーが離脱すると、高出力のエンジンをアイドルにして急降下する。この際、エンジンが急冷によって破損することを防ぐために、飛行速度をおそくし、カウリングカバーの空気取込口から冷たい空気が流入することを防ぐ。
次にフラップを最大に下げ、機体全体のL/Dを小さくし、沈下速度を増す。急冷を避けるために、最初のうちはおそく、次第に速度を増加して、最終近くにはフラップ下げの最大速度とする。
スロットルレバーは、離脱後、次第に絞りながら、回転をやや上げ、ほとんどアイドルの状態のままで着陸する。
キャブヒートは、グライダー離脱の前から使い、着陸の直前で0FFにして着陸する。
次に、ベランカ シタブリアによる曳航実施要領を述べてみよう。
(1)離陸:フルパワー(2400rpm)。高圧線等の障害物を越えられることを確認できてからパワーセット。
(2)上昇中:シリンダーヘッドテンプ確認(420℃まで)。
(3)離脱12400rpm→2100rpm±α(水平飛行の回転数)。離脱信号を送る。
グライダーは離脱。ギャブヒートはON。パワーを1500rpmに減らし、フラップはプルダウン。90MPH(フラップ操作速度)以下で降下。
(4)着陸、キャブヒートOFF、接地。
(5)待ちの時間あるときはエンジンカット。
(6)燃料とオイルの補給は記録する。燃料キャップはパイロットが確認。

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